diff --git a/content/2023-gig.md b/content/2023-gig.md new file mode 100644 index 0000000..faca4da --- /dev/null +++ b/content/2023-gig.md @@ -0,0 +1,104 @@ +--- +title: G.I.G. 体験記 +author: Hiroto Nagashima +tags: Infra +date: 2024-04-18 +--- + +## はじめに + +WEDでサーバーサイドエンジニアをしている永嶋です。 + +WED Tech Blog初投稿の今回は、以前参加させてもらったG.I.G. に関する体験談を書いていこうと思います。 + +## G.I.G. とは + +Google Cloud 主催の研修プログラムです。「特別招待制」とのことで限られた企業を対象にしてるようです。 + +期間は約3ヶ月で、G.I.G. 主催のセッション(勉強会)とCoursera(動画学習サイト)を使った自習を通して Google Cloud のプロダクト等を学習します。 + +最終的なゴールは Google Cloud 認定資格の取得です。僕は Professional Cloud Developer の取得を目指して参加しました。 + +## 開始する前のスキル + +AWSの経験はあるものの Google Cloud は全く触ったことがなく、どのようなプロダクトがあるかもわかっていない状態でした。 + +正直なところ、インフラ全般に関する知識(概念や仕組みの理解、ベストプラクティス・アンチパターンの理解など)が薄く、苦手意識を持ってました。 + +## 開始前の目標 + +1. 資格取得を目指す過程で Google Cloud の全体像を理解すること +2. 自分が業務で使っている Google Cloud プロダクトをある程度使えるようにすること +3. Kubernetesをある程度理解すること + +といったざっくりとした目標を掲げてました。 + +弊社では以下のような多様な Google Cloud プロダクトを使用しています。(一部紹介) + +- Google Kubernetes Engine +- Cloud Pub/Sub +- AlloyDB +- Cloud Composer +- BigQuery +- Cloud Spanner +- Cloud Storage +- Cloud Functions +- Cloud Run + +業務の中でこれらは大体使うので、網羅的な知識を勉強した上で実際に構築して動かすところまでやってみれたらいいなと思ってました。 + +特に、Kubernetesは全くわからない上に学習コストも高いらしいと知ってたので、この機会に、気合を入れて勉強しようと決めてました。 + +## G.I.G. 主催のセッション + +G.I.G. 側でプログラムの詳細を公開してないらしく、あまり詳しく書けないのですが、 Google Cloud のCustomer Engineerの方がサービスの解説してくれたり、ハンズオンで実際にサービスを触ってみる時間がありました。 + +特にハンズオンはとてもボリューミーな内容となってて、非常にやりごたえがあった気がします。 + +不明点を適宜Customer Engineerの方に質問できるのは、個人学習では実現できないうまみだなと思います。 + +## 自習の進め方 + +### Coursera + +自習の基本はCourseraです。G.I.G. 運営さんの方でおすすめの講座をピックアップしてくれてるので、それを順にこなしていきました。音声は全て英語ですが、日本語字幕や字幕の文字起こしがあるので英語が苦手でも問題ありません。プログラムの最後の会で、日本語訳をあえてつけないAll English状態で勉強して試験も英語で受けた人がいるって話をききました。 Google Cloud の勉強もできて、英語のリスニングやリーディングがかなり鍛えられるので一石二鳥でいいですね。 + +講座は「コンテナとは何か」「サーバレスとは何か」みたいなめちゃくちゃ基礎から教えてくれて、具体的な使い方をハンズオン形式で学べます。 + +平日は毎日1~2時間しつつ、土日に集中的に勉強してました。土日は子供がいるのもあって全く勉強できないこともしばしばありましたが、コツコツこなしていって最終的に7コース終わらせました。いろんなサービスを網羅的に学べてとても良かったです。 + +少し気になったところとしては若干内容が古いと思われる箇所がありました。例えばCourseraのハンズオンの中で、現在非推奨となっている Container Registry が結構出てきます。あまり大きな支障にはならないものの、今後アップデートされているといいなあというポイントでした。 + +### Kubernetes + +Kubernetesは特に集中して勉強したかったので補助的に書籍を買って勉強しました。 + +辞書的な重ためな本だと心が折れそうなので、概念や用語を理解しながら全体像を掴めるような本を探してました。 + +元々持ってた[仕組みと使い方がわかる Docker&Kubernetesのきほんのきほん](https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=120304)でざっと概念を学び、新たに[Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps](https://www.oreilly.co.jp//books/9784873119014/)を買って知識を深めていきました。 + +「Kubernetesで実践するクラウドネイティブDevOps」は特におすすめで、概念の説明がわかりやすいのはもちろんなこと構築、運用上のベストプラクティスが散りばめられてます。 + +### その他 + +G.I.G. 運営の方々が主催してくれるセッションで勉強したことを復習したり、Google Cloud が出してる認定資格の模擬試験をやってみたりしてました。 + +模擬試験は最初に受けた時はボロボロだったのですが、解説がしっかりしてるので復習がかなり捗りました。 + +## 受講後、、、 + +無事に Professional Cloud Developer を取ることができました。 + +前提知識がほとんどなかったので広範囲の勉強めっちゃ大変でしたが、3ヶ月という期間が区切られた中で集中して勉強できたのはよかったです。 + +プログラム最後の会で聞いた話だと、どうやら僕が参加したterm(第7期)が今までで一番合格率が良かったらしいです。素晴らしいですね。 + +あと最後に懇親会が用意されてて参加してきました。ただ個々で勉強するだけじゃなくてエンジニア同士の繋がりを作る機会も提供してくれます。Customer Enginieerの方や他社の方と色々とお話しできてとてもいい経験になりました。 + +## さいごに + +G.I.G. に参加して良かったなと思うこととしては、課題に対する解法のパターンみたいなものをたくさん知れたことかなと思います。例えばカナリアリリースなどのリリース手法だとか、システムのアーキテクチャをどう構成すればいいかだとか、プロダクトの特性の違いや使い所だとか、、、 + +業務上で遭遇する課題の解決策ってググったりAIに聞くなりしてある程度答えは知れるものの、やはり前提知識として解法パターンを知っておくと何かと便利なのではないかと思います。G.I.G. での学習によってそういった前提知識を幅広く得ることができた気がします。 + +もし皆さんも G.I.G. に参加できる機会があるのであれば、積極的に挑戦してもらえればと思います。 \ No newline at end of file